胃
消化器の続きです、今日は「胃」です![]()
2)胃
・胃の表層粘液細胞は単層円柱上皮であり、消化液を分泌。
☆副細胞…粘液を分泌
☆壁細胞…塩酸を分泌
☆主細胞…ペプシノーゲンを分泌
・食物は胃に一時貯蔵され胃壁の運動による機械的作用や胃液の化学的作用によりを受けて粥状になる。
・胃液は無色透明で1日に約1~2リットル分泌される。
・胃液の主成分はペプシノーゲン、塩酸、粘液である。
・胃腺の主細胞からペプシノーゲンが分泌され、壁細胞から分泌された塩酸により活性化しペプシンになる。・ペプシンはたんぱく質を分解する。
・粘液は胃の内部を多い粘膜を保護している。
・胃酸分泌調節機構
☆脳相-食物を見る、嗅ぐなど-視床下部→迷走神経…胃酸分泌は促進する。
☆胃相-胃壁に対する食物の刺激-壁細胞、G細胞、D細胞を刺激…胃酸分泌は促進する。
☆腸相-食物が十二指腸へ到達-腸粘膜からセクレチンが放出される…胃酸分泌は抑制する。
①胃潰瘍
・胃の粘膜が、胃酸やペプシンによって自己消化された時に引き起こされる胃粘膜組織の欠損。
・胃炎よりも深く胃壁が傷つく病気で、病変は粘膜下層より深い。
・別名を消化性潰瘍という。
・胃潰瘍は50歳代の男性に多い。
・胃潰瘍の好発部位は胃角部および胃角部小彎。
・胃潰瘍の2原因としてヘリコバクター・ピロリ菌と非ステロイド性消炎鎮痛剤が挙げられる。
・その他の原因はストレスや喫煙など。
・自覚症状は上部腹痛、タール便、吐き気、嘔吐、胸やけ、腹部膨満感など。
・重要な合併症として出血・穿孔・幽門狭窄などがある。
・かつては外科的治療が多かったが現在では内科的療法が主体である。
・内科的治療には内視鏡治療と薬物治療がある。
・胃潰瘍より出血している場合はクリッピングあるいはヒートプローブを用いて内視鏡的止血術を行う。
☆内視鏡的止血術にはエタノール注入・高周波電気凝固・血管クリップ法などがある。
・薬物療法ではH2受容体拮抗薬やプロトンポンプ阻害薬など胃酸分泌抑制薬を投与する。
・プロトンポンプ阻害薬と抗生剤2種類(アモキシリとクラリスロマイシン)を組 み合わせる三剤併用療 法を行いピロリ菌の除菌を行う。(治療期間は約1週間)
・濾出血管のある潰瘍からの再出血の可能性は50%と高率だが薬物治療と内視鏡的止血術の組み合わせに よる止血成功率は95%以上である。
・幽門狭窄の治療を行い禁食が1週間以上に及ぶ例では中心静脈栄養を行う。
・胃潰瘍の緊急手術に穿孔部大網充填術(グラハム手術)がある。
・胃内容物が腹空内に漏れ、急性汎発性腹膜炎をおこすと緊急手術を行う。
・健常人では、なぜ胃酸・ペプシンは胃粘膜を自己消化しないのか?
→粘液が胃の内部を保護しているから。
②胃アニサキス症
・アニサキス幼虫は体長2~3cm。
・アニサキス成虫は本来イルカやクジラの回虫でその腸に寄生しる。アニサキス幼虫が人間の消化管では 成長することは出来ず苦し紛れに粘膜を破り、さらに胃や腸の壁の中 にもぐりこみ行き小腸などに穴を あけてしまう。
・アニサキス幼虫はサバ・イワシ・アジ・タラ・スルメイカに寄生している。
・アニサキスの摂取後(約1~8時間後)に激しい上腹部痛を訴え、しばし吐き気・嘔吐を伴う。
・内視鏡検査を行うと、胃壁に穿入しつつある虫体を確認できる。
・予防として60℃以上の加熱や-20℃以下の冷凍で死滅する。刺身はよく噛んで食べる。
・胃アニサキス症の疑いのある患者に至急行う治療は?
→上部消化管内視鏡検査を至急行う。(幼虫が胃の粘膜にいるうちに内視鏡で摘出するのが最も望ましい)
③胃癌
・日本の胃癌の頻度は世界的にも多く、胃癌多発国。
・胃癌は50歳代の男性に多い。
・組織型ではほとんどが腺癌である。
・好発部位は幽門前庭部、胃角部、胃体部の順に多く発生。
・自覚症状は様々で早期胃癌では約半数が無症状であるため、健康診断で発見されることがある。
☆様々な自覚症状…上腹部痛、腹部膨満感、胸やけ、吐き気、食欲不振、体重減少など。
・癌は粘膜表層(最内部)から発生し、進行すると垂直方向(外側)に浸潤する。
・癌の浸潤が粘膜下層を超える物を進行癌とよび、その分類はボールマンの分類が用いられる。
・進行癌は肝臓や肺などへの転移、血行性転移がおこりやすい。
・転移は腹膜播種・リンパ行性・血行性がある。
☆腹膜播種…ダグラス窩に播種し転移するものをショニッツラー転移という
☆リンパ行性…胸管をへて、左鎖骨上窩リンパ行性転移をウィルヒョウの転移という。
☆血行性…肝臓→肺→骨→脳→腎臓→皮膚の順に転移する。
・胃癌には放射線治療は無効である。
・胃癌の治療は腫瘍切除が基本となる。
・早期癌のなかの粘膜癌で直径が2cm以下の分化型のものは内視鏡治的粘膜切除術(EMR)が行われる。
・内視鏡治的粘膜切除術(EMR)は粘膜だけの切除を行う。(局所切除)
・開腹手術にはビルロートⅠ法・ビルロートⅡ法・ルーワイ法がある。
④胃瘻
・胃瘻とは腹壁を切開して胃体部に直接チューブを挿入する方法。
・栄養を早く効果的に摂取させることと消化管の減圧のために増設される。
・嚥下障害など経口摂取が困難な患者の栄養状態を高める。
・チューブによる違和感が少なく、長期使用が可能である。
・PEGとは内視鏡的胃瘻造設術のことで外科手術は必要でない。
・PEGの管理として①バンパーによる圧迫虚血に注意する②瘻孔からの漏れに注意する③流水での洗浄し 清潔を保つ④適切なチューブへの入れ替えなどがある。
・チューブの周囲からの消化液の漏出があると皮膚を損傷してしまう。
・皮膚の清潔保持のために適宜ガーゼ交換をする。
・バンパーによる圧迫虚血予防のためPEGをきつく締めすぎない。
・在宅でPEGチューブを体外に抜去してしまった場合どうする?
→抜去後は直ちに瘻孔を確保する。
私の祖父はPEGを増設した後とても栄養状態がよくなりました。
肌のツヤもよくなってビックリしたのを覚えています。![]()
お役に立てたでしょうか…![]()
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