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膵臓

7)膵臓
・膵臓は消化酵素を産生する外分泌部とホルモンを産生する内分泌部の2種類の組織で構成される。
・膵臓は頭部・体部・尾部に分けられる。
・膵臓は身体の背中側にある。身体の背中側は動脈が多く存在し(門脈も存在する)手術を行いにくい。
・膵臓の導管は主膵管と副膵管の2種類がある。
・主膵管は総胆管に合流し十二指腸下行脚に開口する。この開口部をファーター乳頭という。
・外分泌部は膵臓の約90%を占め、膵液は限られた所に働きかける。
・外部分泌からアミラーゼ・リパーゼ・トリプシノーゲン・キモトリプシンなどの消化酵素が分泌される。
・アミラーゼは炭水化物を消化する。
・リパーゼは脂肪を消化する。
・トリプシンはタンパク質を消化する。
・内分泌としてはランゲルハンス島から分泌される、インスリン・グルカゴン・ソマトスタチンなどがある。
・膵液は無色透明で、成人では1日500~2000mlが分泌される。
・弱アルカリ性で、胃液で酸性にされて送られてきた内容物を中和する。
・膵液の分泌には、十二指腸や小腸粘膜から分泌されるホルモンが影響する。
・主なホルモンとして、十二指腸粘膜・上部小腸粘膜から分泌されるセクレチン、十二指腸粘膜から分泌さ れるコレシストキニンがある。
・セクレチンの刺激で分泌される膵液には水や炭酸水素ナトリウムが多い。
・コレシストキニンの刺激で分泌される膵液には消化酵素が多く含まれる。
・内分泌は尾部に多い。
・疾患により尾部の摘出を行うと体内でインスリンが生成できなくなり、糖尿病にかかりやすくなる。
・インスリンはランゲルハンス島のβ細胞から分泌され、血糖値を低下させる。
・グルカゴンはランゲルハンス島のα細胞から分泌され、血糖値を上昇させる。
・各種の酵素は膵臓で不活性の状態で分泌され、消化管に到達してから活性化される。
・膵臓は大量の炭酸水素ナトリウムを分泌し、胃から流れてくる胃酸を中和することで十二指腸粘膜を保護 している。
・膵外分泌を刺激するセクレチンを静注して十二指腸液を採液し、その液量・成分を分析することによって 膵外分泌機能を評価する検査。(アミラーゼ、重炭酸塩素濃度を調べる)
①急性膵炎
・膵酵素(アミラーゼ)が活性化し、膵組織や膵周辺組織を自己消化することによって、浮腫・壊死・出血 が生じる。
・急性膵炎は男性に多い。男性では40歳代、女性では60歳代に好発する。
・アルコールの多飲と総胆管結石により膵管が狭窄し自己消化により膵炎をおこす。
・大酒家に急性膵炎が発症する。
・激痛を訴え、上腹部や背部痛、嘔吐を伴い、ショックに陥る場合もある。
・CT、エコ検査で膵臓の腫大、膵周囲の滲出液の貯留。
・血液検査を行い膵臓に特異的な膵アミラーゼ、リパーゼ、エラスターゼなどの膵酵素を測定する。
・治療は膵外分泌の抑制、疼痛対策、ショックなどの合併症対策や二次感染の予防を行う。
②慢性膵炎
・膵炎の症状が6ヶ月以上持続して、組織学的に膵臓の繊維化をきたし、内外分泌組織の破壊・消失と膵管 系の拡張・狭窄をみとめられる。
・原因はアルコールの多飲が約60%を占める。次に多いのが胆石膵炎(突発性膵炎)である。
・非代償性である糖尿病や吸収不良症候群、膵石による膵炎発作の反復などの所見を示すタイプがある。
・非代償性の症状として、食欲不振・体重減少・下痢などがあげられる。
・尾部の摘出を行った場合は糖尿病にかかりやすい。
・磁気共鳴膵胆管造影(MRCP)や内視鏡的逆行性膵胆管造影(ERCP)を行う。
・磁気共鳴膵胆管造影(MRCP)は、造影剤が不用で、リスクの高い場合でも胆管や膵管を映し出すこと ができる検査。苦痛なく行える(侵襲が少ない)がこの設備を備えている医療機関は限られている。
・内視鏡的逆行性膵胆管造影(ERCP)は、胃カメラをのむ苦痛と検査後に膵炎を起こしやすい。
・外分泌を刺激し、胃酸を押さえるセクレチン試験を行う。セクレチン試験は侵襲が大きい。
③膵癌
・膵癌の90%以上は外分泌組織(腺房細胞・導管部、いわゆる頭部)に由来する。
・外分泌組織の膵管上皮から発生し、内分泌組織から発生するのはまれである。
・膵癌は治療成績の悪い癌である。(極めて予後不良)
・症状が出にくいため早期の発見は困難である。
・膵臓が後腹膜に位置するため、癌が容易に周辺組織とくに血管に浸潤しやすい。
・内視鏡的逆行性膵胆管造影(ERCP)は、胃カメラをのむ苦痛と検査後に膵炎を起こしやすいため磁気 共鳴膵胆管造影(MRCP)を行い診断する。
・腫瘍マーカーであるCA19-9が膵癌では上昇する。
・膵体尾部癌に対しては膵尾側切除がおこなわれるが、術後に糖尿病になる。
・膵癌の予後は消化器癌のなかで最も不良である。
・根治治療においても5年生存率は10%程度である。
・手術のみでは予後不良であるため、放射線治療,化学療法、免疫療法を手術療法に組み合わせて行う集学 的治療が検討されている。

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